今回はネットショッピングで10万円以下で買えるストリート用の車高調を各商品のスペックを徹底的に比較、オススメ商品を紹介します
紹介する商品はZC32 スイフトスポーツ用になります。
2級自動車整備士として約20年に渡り、車に関わってきた者としての観点で情報をお伝えします。私自身まだまだ勉強すべき事が沢山ありますが、参考にしていただければ幸いです。
価格や細かいスペックなど色々調べてみましたので、これから車高調の購入を検討されている方! 比較の結果を参考にして頂ければ幸いです。
- 車高調の選び方6ポイント
- 4商品スペック比較
- 商品ランキング
調査したのは車高調の中でも フルタップ式車高調 に絞っています。
まずは、車高調の選び方から説明していきます。
説明不要な方は、目次からランキングの方へどうぞ!
車高調の選び方
車のスペックを知る
車をイジるにもまず、自分の車がどういった仕様なのかを知っておく必要があります。
車高調選びにおいては、サスペンションのタイプや、最低地上高を知っておくなら、どんなものを買えば良いのか選択しやすくなります。
ZC32 仕様諸元 | フロント | リヤ |
サスペンション | ストラット式 | トーションビーム式 |
最低地上高 | 130mm |
目的を明確にする
まずは自分が何を求めて車高調を買うのか?というビジョンをはっきりさせておきましょう。
車高の低さでしょうか? ロールを抑えること、費用を抑えるなど いくつか求めている物があるとしても優先順位も明確であるなら商品を見つけやすくなります。
主に自分が何を目的として車高調を入れるのかをハッキリさせておきましょう。
では次に目的別に車高調選ぶ時のポイントを考えましょう。
-価格で選ぶ-
安い物だと6万円台からでもフルタップ車高調が買える時代になりました。 ある程度ローダウンできれば良いと言うのであれば、とにかく安いものを選ぶというのも一つの手と言えるでしょう。
ただし、物によってはアッパーマウントを純正のものを使用するタイプがありますので、マウントがヘタっているならそれらの部品代も加算される事になります。 ご自分の車のコンディションに合わせて車高調のタイプを慎重に選ぶ必要があります。
また、ショップなどで交換を依頼するのであれば、交換工賃が発生します。さらにアライメントの調整もとなると、それなりに費用が加算できますので、車高調を導入するにはそれなりの心積もりも必要になってくるでしょう。
– 下げ幅で選ぶ –
どこまで車高を下げたいのか明確な数値を考えておく必要もあります。 自分の車のタイヤハウスのボディー上部とタイヤのクリアランスを測り、何センチ下がれば理想とするものになるかメジャーなどで計測することをお勧めします。
とはいえ車高は好きなだけ下げる事ができるわけではありません。 道路運送車両法で最低地上高を確保する事が定められているからです。
スイフトスポーツのカタログ値では、最低地上高13cmとなっています(4WDを除く) 車両の個体差もあると思いますが、上記の点をふまえるとスイフトでは4cm〜5cmくらいの下げ幅が公道使用での限界という事になります。
商品によってはかなり車高を下げる事ができるものもありますが、6cmも下げる事ができれば十分と言えますので、その辺りを目安に選ぶのも良いでしょう。
– 保証期間で選ぶ –
見過ごしがちかもしれませんが保証期間はしっかり抑えておきたいポイントと言えるでしょう! 車高調のダンパーは特に消耗が早く、純正のダンパーよりも早いサイクルで交換、もしくはメンテナンスが必要なものが多いと思います。
新品を買ったとしても案外早くオイル漏れを起こしたりもします。 最近ではオーバーホール対応のものがほとんどですが、買い換えるよりは安いとはいえ、大体2万円前後と費用もそこそこ… ですから保証で直してもらうに越した事はありません。
とはいえ保証期間は各メーカーによって様々です。そもそも保証がないものもあれば、3年保証というかなり長期間保証してくれるものもあります。
長く使用する予定であれば保証期間が長いものを購入することをお勧めします。
スプリングの硬さで選ぶ
スプリングの硬さは、バネレートという1mm縮むのに何キロの力が必要かを数値で表したものが用いられ kgf/mmという単位で表します。
スイフトでは純正のバネレートが前後とも2kほどに設定されているようですので、どの様な乗り心地にしたいかで、バネレートを選ぶ必要があります。
数値が高いほど硬いバネになりますので、その分乗り心地も硬くなり、シャキッとしたものになります。
なるべく乗り心地の変化を少なくしたいのであれば純正に近いバネレートを選ぶ方が良いでしょう。
調整部品の有無で選ぶ
減衰力調整
車高調には、ダンパー調整機能が付いているものがあります。
これはダンパーの減衰力を調整できるもので、バネが伸び縮みする動きを抑える役割があります。 柔らかいとふわふわした乗り心地になりますが、硬くするとゴツゴツした乗り心地になる反面、動きがキビキビした方向に調整可能になります。
街乗りしかしないというのであれば、減衰固定でも十分だと思いますが、街乗りも、ワインディングでの走行もする方や自分好みの味付けにしたい方は、減衰調整式のものを選ぶと良いでしょう。
商品ごとに調整が16段だったり多いもので32段というものもありますが、段階の多さと減衰力調整量の広さは構造上無関係のようで、個人的にはあまり細かくても1段ごとの変化を体感する事は無いので10段以上あれば十分だと思います。
キャンバー調整
タイヤのキャンバー角を調整出来るタイプがあり、これは車を正面から見た時の、地面に対するタイヤの角度のこと言います。
大抵の場合はナックルとサンペンション取り付け部のキャンバーボルトを使用することで微調整が可能になりますが、 調整式のピロアッパーマウントにより、さらにアライメントの調整幅が広がります。
キャンバーをつけたい、 調整幅が欲しいというのであれば調整式ピロアッパーマウントのものを選びましょう!
アッパーマウントの種類で選ぶ
スイフトにおいて車高調のアッパーマウントの種類はフロントのみとなっていますが、オプションや社外パーツを含めると主に3種類選ぶことができます。
純正アッパーマウント:
純正の物を取り外すか、新品を取り付ける形になりますが、メリットとしては金額も安く、3種類の中で一番乗り心地の変化が純正と比べて少ないのでなるべく乗り心地を硬くしたくないというかたにオススメです。
デメリットとしては、純正アッパーマウントが経年劣化が見られるなら、新品を購入する必要があるので結果的に費用がかさむ点があります。
強化ゴムタイプ:
こちらのメリットとしては、純正よりもキビキビしたハンドリングになるという点です。 それでいてピロアッパーよりもマイルドですのでマウントの種類で迷ったらこちらの強化ゴムタイピの物を選ぶことをオススメします。
デメリットとしては柔らかくもかたくもなく丁度いいとも言えますが、中途半端とも言えます。
ピロアッパー:
メリット 3種類の中でも一番ハンドリングがダイレクトになります。リジットマウントも同じく、ラバーを介す事なく路面のインフォメーションが伝わる形になります。
デメリットとしては乗り心地はゴツゴツしたものになりますので、乗り心地重視の方は避けた方が良いでしょう。
4 商品 徹底比較!
今回比較するのは12商品です。 各商品につきましては公式サイトからご確認いただけます。
ラインナップ
比較その① 価格と保証期間の比較
ここでは価格、オーバーホール(O/H)可能かどうか、減衰調整機能の有無、保証期間を比較しています。
商品名 | 価格 | O/H | 減衰調整 | 保証期間 |
DAMPER ZZ-R | ¥96,800 | ○ | ○ | 3年 |
フレックスZ | ¥85,000 | ○ | ○ | 3年 |
street zero | ¥93,400 | × | ○ | 1年 |
Spec S | ¥91,000 | ○ | ○ | 2年 |
※価格は2022年2月(Yahooショッピング)の時点での調査です
比較その② 車高調整範囲とバネレート
バネレートと車高調整範囲の比較です。 スイフトでは純正のバネレートが前後とも2kほどに設定されているようですので、どの様な乗り心地にしたいかで、バネレートを選ぶ必要があります。
数値が高いほど硬いバネになりますので、その分乗り心地も硬くなり、シャキッとしたものになります。
なるべく乗り心地の変化を少なくしたいのであれば純正に近い車高調を選ぶ方が良いでしょう。
車高の調整幅に関しては、どれくらい下げたいのか具体的な数値を把握しておくなら商品を選び安くなります。
車高調自体は物理的にかなり下げることができても、車両側で限界まで下げるためには、その他の部品の交換が必要な場合もありますので注意が必要です。
バネレート | 車高調整幅 | |
BLITZ | F5.0K(ID62)/R5.0K(ID62) | F 0 ~ -80mm/R -15 ~ -50mm |
TEIN | F7.0K(ID70)/R4.2K | F -18~ -87mm/R -2 ~ -55mm |
CUSCO | F6.0K(ID65)/R4.0K(ID65) | F 0 ~ -79mm/R -28 ~ -56mm |
Rargus | F6.0K(ID62)/R6.0K(ID62?) | F 22 ~ -73mm/R -8 ~ -72mm |
マウント形状と減衰調整の比較
マウントの種類とダンパーの減衰調整の比較です
マウント種類(フロント) | 減衰調整 | シェルケース | |
BLITZ | 純正 | 32 | 単筒式 |
TEIN | 純正 | 16 | 複筒式 |
CUSCO | 純正 | 14(リヤのみ) | 複筒式 |
rargus | 純正 | 32 | 単筒式 |
総合おすすめランキング
オススメ No.1 Largus Spec S
今回のラインナップの中で一番バランスが良いという理由でオススメNo.1とさせていただきました。
車高調整範囲はフロント、リヤ共に70mm以上下げることが出来、ダンパーーの硬さも32段調整とかなり調整の幅が広い商品と言えます。
保証に関しては2年となっていますが、距離に関しては規定はないようなので年間走行距離が多い方にオススメの商品です。
またお勧めポイントとしては、 Largusの商品ではID62のスプリングが採用されており、バネの自由長にもよりますが、フロントは2k~24K,リヤは2k~12kまで別売のバネに変更可能なので、かなり幅広いセッテイングができるよう設計されています。
スプリングレートも変更してセッティングを楽しみたい方にオススメです。
価格 | ¥91,000 |
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ダウン量 | F73mm R72mm |
保証 | 2年 |
減衰調整 | 32段 |
アッパーマウント | 純正 |
オススメ No.2 TEIN FLEX Z
安心のブランドTEINですが、なんといっても保証期間の長さに注目です。 私個人も車高調のオイル漏れには何度も直面しましたが、3年保証は品質への自信のが表れているといえます。
スプリングシートの固着保証も行っていて、固着によるクレーム率は50万本でゼロという驚異の防錆性能です。
降雪地域、沿岸地域での使用も安心です。 また、昔からTEINは乗り心地にも定評があり、私自身も使用した事がありますがしっかりしたハンドリングでありなながら、不快感のないバネとダンパー調整が可能になっています。
FREXZのダンパーは複筒式を採用しており長いストロークと低反発、低フリクションが特徴の複筒式。スムース動作で快適でしなやかな乗り心地を実現します。
価格 | ¥85,000 |
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ダウン量 | F87mm 55mm |
保証 | 3年6万キロ保証 |
減衰調整 | 16段 |
アッパーマウント | 純正 |
オススメ No.3 BLITZ DAMPER ZZ-R
こちらもTEINと同じく知名度抜群のメーカーとなっています。 もちろん有名なだけでなく商品の信頼性、品質も非常に良いものとなっており、3年という長期保証が注目ポイントです。
アッパーマウントやシートリング等がアルミ鍛造のものが使用され、バネ下重量の軽量化が図られている他、32段減衰調整は紹介した商品の中で最も多く、細かい調整を行いたい方にお勧めの商品となっています。
価格 | ¥96,800 |
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ダウン量 | F80mm R50mm |
保証 | 3年6万キロ保証 |
減衰調整 | 32段 |
アッパーマウント | ゴム純正 |
オススメ No.4 CUSCO street zero
こちらの商品はフロントの減衰力は固定で、調整可能なのはリヤのみとなっていますので、他社製品と比べるとやや見劣りしてしまいます。
バネレートはフロントが6キロ、リヤが4キロとなっており、ダンパーはテイン同様複筒式ですので、スペック上の乗り心地は悪くなさそうです。
価格 | ¥93,400 |
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ダウン量 | F79mmR56mm |
保証 | 1年1万キロ |
減衰調整 | 14段 |
アッパーマウント | 純正 |
まとめ
ZC32S スイフトスポーツ用のフルタップ車高調を比較しまとめてみましたが、いかがだったでしょうか?
同じフルタップ式といえども、値段も、下げ幅も、保証期間などもさまざまでした。
今回紹介させていただいたもののオススメは、主に保証期間の長いもの適度な下げ幅、乗り心地が極端に悪くならずにすみそうな車高調を選びました。
車高調は好みが別れるところでもあると思いますので、詳細を比較しながらご自身が求めている条件に合うものをぜひ選んでみてきださい。