オイル・ケミカル

化学合成オイルとは? オイル選びで失敗しないための5つのポイント!

世の中には様々な化学合成オイルが販売されており、正直なところ品質はピンキリです!

それで失敗しないオイル選びのために化学合成オイルにおける基礎知識について、必ず押さえておきたい5つのポイントにまとめています。

 

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こんな方にオススメ

  • どんなオイルを買うか迷っている
  • 化学合成オイルを探している
  • 化学合成オイルについて知りたい

自動車におけるエンジンオイルとは?

まずエンジンオイルは、ベースオイルと添加剤を組み合わせたもので、成分の約80%を構成する『ベースオイル』と、残りの約20%を構成する『添加剤』からなります

合成オイルか鉱物油かどうかは、約80%を構成する『ベースオイル』の種類によって位置付けが分かれています。

100%がオイルではない!

エンジンオイル =ベースオイル(80%)+添加剤(20%)

ベースオイルには大きく分けて2種類

① 鉱物油…自然界の原油を精製して作られていて、一般に多くの車に使用されるエンジンオイルはこの鉱物油がベースオイルとなっている。

② 化学合成油…一般的に合成油、全合成、化学合成油、Synthetic,FullSyntheticなどと一般に呼ばれ、化学的に精製され、オイルの分子構造が鉱物油とは異なります。

さらに化学合成オイルの中でも、鉱物油ベースのものと、PAO(ポリアルファオレフィン)やエステルなど人工的に作られたベースオイルとがあり、後者のオイルは低温から高温域までのレンジが広く高性能なオイルとなっていて、レースなどで使用する車両に用いられる事が多いです。

ベースオイルは、鉱物油と合成オイルに分ける事ができると書きましたが、さらにベースオイルはアメリカ石油協会によって分類され、オイルの主成分や精製方法で1〜5段階に分けられています

 

※Gr(グループ)の数字が小さいほど品質は低く、数字が大きくなるにつれて品質は上がっていきます。

「商品の表記」のところを見ていただくとわかるようにGr1,2が鉱物油 Gr3,4,5が合成油または化学合成油となっています。

しかし「ベースとなる材料」の部分を見てみると、Gr3は鉱物油から精製されていることがわかります。 

つまりGr3の商品は化学合成油として販売されている商品があるものの、鉱物油から作られたオイルであり、純粋な化学合成によって作られたオイルではないのです。

 

ベースオイルは2種類
  • 鉱物油と化学合成油がある
  • Gr3のベースオイルは鉱物油と化学合成油が混在する

ではなぜ、Gr3のベースオイルは鉱物油と化学合成油が混在しているのでしょうか?

鉱物油とも化学合成油とも表記して良いという事実!

ベースオイルのグループ分類表の中では、しっかりと鉱物オイルと合成オイル、化学合成オイルが分類されているように思えますが

実は、化学合成油の定義というものが明確には無いために、グループ3のベースオイルを用いたエンジンオイルは、「鉱物油」とも「化学合成油」とも表記しても法的に何ら問題ないことになっているという事実があります。

ベースは鉱物油から精製されたものでグループ4や5の実際に化学的に精製された化学合成油とは異なるものです。

 

なぜ鉱物油と合成油が混在するようになったのか?

 

ことの発端はUSカストロールにある!

USカストロールはGr3にあたる鉱物油ベースオイルを用いた「Syntec」(シンテック)という商品名のエンジンオイルを化学合成(fullsynthetic)として販売していました。

そこに同じくUSのオイルメーカーであるモービルは、カストロールのシンテックがもはや合成ではないという事実にもかかわらず、シンテックは化学全合成オイル(fullsyntetic)であると表記し消費者を誤解させると主張しました。

化学合成と謳いながらPAOから鉱物油へ変更していた!

シンテック」は元々PAOベースの文字通り化学合成油であったようですが、何年にもわたって「シンテック」をPAO(ポリαオレフィン)で製造した後、1997年12月頃に製品の体積の約70%を占めていたPAOを水素化処理された鉱物油(Gr3)に置き換えたと具体的にMobilは指摘しました。

Mobilは、1997年6月と12月に購入した「シンテック」のサンプルには93%と80%のPAOが含まれていると主張しました。 「シンテック」の他のサンプルは、1997年12月に1つ、1998年に4つ購入され、PAOを含まず、代わりに100%の鉱油を含んでいました。

カストロールの主張

カストロールは、シンテックに使用されるベースオイル(水素化分解/VHVI)であることは認めているものの、水素化処理されたオイルは性質に基づいて合成であるという主張しました。

さらにカストロールは、消費者に配合の変更を通知しないことで消費者をだましたというモービルの主張に「Mobilを含む他のオイルメーカーは、消費者にこれらの変更を開示することなく、定期的に配合を変更している」と主張し反論しています。

さらに業界の認証およびライセンスプログラムは、オイルが業界標準を満たしている限り、モーターオイルメーカーに配合を変更する柔軟性を提供するように設計されていると述べました

判決

NADは19994月にカストロールシンテックモーターオイルを化学合成油(syntetic)として販売できると決定しました。

この出来事により、日本でもグループ3べースオイルを用いたエンジンオイルは、会社によって「鉱物油」「化学合成油」のどちらの表記で販売するかは任されており、販売市場に置いて同じGr3であるにもかかわらず、表記もバラバラで混乱を与える状況が見られるようになってしまいました。

参考:このサイトを参考にしました。英語のサイトなので間違っているところがあると思います。英語ができる方、詳しい正確な情報をお待ちしております。

 

 Gr3の鉱物油由来のエンジンオイルは低品質なのか?

では、化学合成オイルであるとはいえ、鉱物油由来のGr3ベースオイルの商品は低品質なのでしょうか?

決してそうではありません。商品によってはGr3であるにもかかわらずGr4に近い性能いものまであり、特に大手メーカーが販売している商品に関して言えば高品質なものも多いと言えます。

Gr3のベースオイルはハイドロクラッキングオイルとか、VHVI(とても同粘度が高いの意味)とも言われ、水素を使って不純物を高精度に取り除き、鉱物油の成分分子潤滑に適した性質に組み替えたもので化学合成油に近い性能を持った分子構造によって動粘度を高くし性能の向上が図られています

とは言え、Gr3の全てが品質の高い、というわけでもありません。低品質な化学合成油も存在するのも事実です。

では、そのようにして同じGr3の中でも良いものと悪いものを見分けることができるでしょうか?

その1つとして、オイルの価格に注目できます。

 

下記にそれぞれの販売価格を比較してみました

某激安オイルモービル1
表記0w-20 100%合成油0w-20 合成油
価格1800円/4L4030円/4L

※ネットショッピング(税込、送料別)

同じ合成油であるにもかかわらず、金額にかなりの開きがあります。

その差の中には宣伝費なども大きく関係しているかもしれませんが、激安オイルの商品に関しては、コ○モ石油製とも書いてありました。

確かにベースオイルはGr3のハイドロクラッキングオイルを使用しているのだと思いますが、なぜここまで金額が違うのか?

 

エンジンオイルにかかるコストとは?

エンジンオイルはベースオイル(80%)と添加剤(20%)の割合で配合されていますが、どんな添加剤どれほど入っているかで、コストが大きく変わってくるからです。

※エンジンオイルの価格の違いについては下記の記事も参照

同じグレードでも安いエンジンオイルと高いエンジンオイルは何が違うのか?カー用品店やネットショピングでも数多くのエンジンオイルが販売されていますが、同じ粘度、同じグレードでも価格の違いがあります。 安い...

当然ですが全てのオイルメーカーがオイルを精製段階から作っているわけではなく、精油会社からベースとなるオイルを購入し独自に添加剤を配合しているメーカーも存在します。

そこからさらに、開発費用などもオイルの販売価格に反映されます。

つまり、エンジンオイルの販売価格を抑えるとなると、開発費用や添加剤でコストを削減することになってしまうのです。

エンジンオイルを作り出すためにかかるコスト
  • ベースオイル(購入又は精製)
  • テストなどの開発費
  • 添加剤に価格コスト

 

エンジンオイルを安く販売するには、主に開発費添加剤(酸化防止剤、摩耗防止剤、防錆剤、清浄分散剤、粘度指数向上剤、流動点降下剤、消泡剤などがあり)にかかるコストを抑える必要があり

ここに同じGr3の化学合成油であったとしても、大きな価格差となって現れると言えます。

 

安いエンジンオイルは開発費、添加剤などのコストカットが行われており、同じ化学合成油でも、品質は同じではない!

失敗しないエンジンオイルの選び方

同じ化学合成油であったとしても、品質が統一されていないのであれば、どのようにオイルを選べば良いのでしょうか?

化学合成油選びに関して失敗しない方法は2つあります。

① 信頼できるメーカーで選ぶ

 

 

オススメのオイルメーカー

MobilカストロールGulfPENNZOILlWAKO’sMOTULNUTECENEOS

 

② 極端に安いオイルは避ける

この点に関しては、上の販売価格比較表でも説明している点ですが、良いオイルを作るとなるとそれなりにコストはかかるものです。

安いエンジンオイルには、安いなりの理由があり、添加剤や開発費などをコストカットしている可能性もあります。

セールなどで安売りされている場合は別かもしれませんが、安いというだけの理由で、エンジンオイルを選ぶのはやめましょう!

 

まとめ

いかがだったでしょうか?

エンジンオイルを購入するときは、ぜひこれまでに取り上げた以下の点に気を付けてください。

  • エンジンオイルはベースオイルと添加剤で構成
  • Gr3には同じオイルでも鉱物油や合成油が存在する
  • Gr3には品質の差が大きいものがある
  • 良いオイルを選ぶためには、ブランド、価格にも注目する

化学合成オイルとは何かという事についてお伝えしてきましたが、この情報がこれからのオイル選びにお役立ていただければ幸いです。